番号二、コルロは、オーベロンのように光をまとう者ではない。彼は図書館の奥、日差しの届かぬ棚のあいだに、ひっそりと姿を見せた。背は高く痩せ、灰色の外套は本棚の影とよく馴染む。見ようによっては人と変わらぬ輪郭だが、よく目を凝らすと、その足元は床に触れているというより、わずかに浮かぶ霧のようでもあった。 彼が好むのは開けた場所ではなく、閉じられた場所である。鍵のかかった部屋、古い戸棚の内側、あるいは誰にも見つけられない書庫の隅。そこに身を置くと、コルロは安心したように肩の力を抜く。そして、置かれた品の位置を少しずつ変え、昨夜のうちに誰かが読んだ頁を正しい角度へ戻していく。物を奪うのではなく、隠し、守り、時には忘れられたものを人目から遠ざける。それが彼の習性だった。 オーベロンが風の気まぐれなら、コルロは静かな戸締まりに近い。前者が道を惑わせるなら、後者は道の外れにある小さな休み場へ案内する。だから二体は似ていないようで、どちらも人の足取りに干渉するという点ではよく似ていた。ひとりは遊びとして、ひとりは配慮として。 コルロは滅多に正面を向かない。話しかけても、まずは書架の背表紙を眺め、しばらくしてから遅れて返事をする。だがその沈黙には、拒絶よりも慎重さがあった。彼は言葉を選ぶというより、言葉が落ち着くまで待っているのだ。もし夜更けに迷い込んだ者がいれば、彼は声を荒げず、ただ一本の灯りをそっと近づけるだろう。明るすぎない、目に痛くない、だが確かに進む先を示す灯りを。 こうして二体目が加わると、この紹介の形は少しだけ輪郭を持ちはじめる。派手な者の次には静かな者が来る。森に属する者の次には、閉じた空間を守る者が来る。違いが違いのまま並ぶことで、かえって互いの姿が際立っていく。図書館の空気もまた、それに合わせてわずかに深まり、頁をめくる指先のように、次の名を待っていた。
図書館で語る三十の伝承者
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