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眠れる探偵こそ王だ

小説ID: cmubdgtjf001q01mzcsa72ky2

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王冠が新たな王の額に載せられたとき、広場に集った人々は、十年を失っていた王子の姿ではなく、その身体で真実を追ったラズを見ていた。 王妃は玉座の前に立ち、静かな声で告げた。 「涙石は、失われたものをただ返す宝ではありません。失われた者に、進むべき新たな役目を授ける石です」 祈りの間から運ばれた涙石は、二人の前で淡く光った。ラズは王子の手を見つめ、アシルは探偵の大きな手を握り開く。光が消えても、魂の居場所は変わらなかった。 「不服か、探偵殿」 アシルが笑う。 「寝床が急に広すぎるのは不服だ」 「では、私は狭い事務所に慣れることにする」 そのやり取りに、市民の間からやわらかな笑いが起きた。王妃は笑みを浮かべ、それからラズへ王笏を差し出した。 「民の声を聞き、証拠を恐れず、誰かのために眠る時間さえ惜しまない者を、ナバルの王と認めます」 ラズは王笏を受けた。 「眠る時間は惜しむものではない。守るものだ」 即位の日の最初の勅令として、ラズは正午から鐘が三つ鳴るまでを、働く者すべての休憩と定めた。さらに、その時間を役人も民も、急がされた決め事と噂を確かめるための時とした。どれほどもっともらしい言葉でも、帳簿と証人と自分の目で確かめるまで、国は動かさない。 ザハルが石で塞いだ水路は開かれ、奪われた再建費は用水路と市場の屋根へ戻された。ナディアの鉢植えは温室の中央へ移され、白百合のそばで新しい芽を出した。 城壁の上から、ラズは再生を始めた都を見渡した。隣には探偵の衣を着たアシルがいる。 「王よ、次の事件です。正午の鐘まであと少しです」 「ならば急ごう。解決は昼寝の後だ」 二人は笑い合った。青い涙石はもう答えを告げなかったが、都には自ら真実を見つける人々の声が、確かに満ちていた。

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古代王国ナバルで、昼寝を愛する探偵ラズを主人公に、明るく軽快な入れ替わりミステリを書け。王妃の葬儀当日、ラズと、十年前に死んだはずの王子の魂が「王家の涙石」により入れ替わる。ラズは王子の身体で盗まれた王冠と王妃殺しの真相を追い、王子は探偵の身体で喪失に沈む市民を励ます。王国再生を阻む大臣を暴いた末、王冠は偽物、王妃は生きていたが、ラズだけが王子の身体のまま王位を継ぐ皮肉な結末にせよ。