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数えられなかった乗客にも週二便を

小説ID: cmvwj3jr3000201s6xz884zx5

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最初に訪ねた元運転手の家には、玄関に昔の路線図が額に入れて掛けてあった。祖母が事情を話すと、男性は蓮の運行案を両手で持った。 「この辺の道なら、今でも分かる。協力はしたいよ」 蓮が平日の朝の欄を示すと、男性は少し黙った。 「ただ、連日は難しい。腰の治療もあるし、昔と同じようには引き受けられない」 蓮は持参した表に、相談可能、と書いた。月曜から金曜まで引いた線の上には、まだ一つも丸をつけられなかった。 現役の運転手とは、勤務が終わる時刻に合わせて集会所で会った。男性は携帯電話の勤務表を開き、机の上に置いた。 「休みの日なら考えられる。でも、翌月も同じ曜日が空くとは限らないんだ」 「朝だけでも、難しいですか」 「そのあと自分の勤務がある。運転する時間だけ数えて、休む時間を削るわけにはいかないよ」 蓮は鉛筆を置いた。必要な資格を持つ人の名前が増えても、毎朝の担当者が決まるわけではなかった。 近隣の交通事業者を訪ねると、担当者は学校の始業時刻を書いた欄を見て首を振った。 「その時間は、こちらも車と人が出ています。毎日の人員提供はできません」 祖母が鞄の口を閉じかけたとき、担当者は別の予定表を出した。 「限られた曜日なら調整できるかもしれません。欠勤時の代わりも含めて、確認させてください」 蓮は、その予定表の写しを頼んだ。 数日後に届いた回答を、集会所の大きな紙に並べた。住民の協力できる日と、事業者が引き受けられる枠は、思ったほど重ならなかった。毎日の欄を埋めようとすると、必ず誰かの無理を前提にすることになった。 「車が一台あれば、走らせられると思ってた」 蓮が言うと、祖母は元運転手の名前の横に書かれた、月一回程度、という文字を指でなぞった。 「乗せてもらう側からは、車しか見えなかったね」 確保できる運行枠は、週二便だった。車両や費用、手続きは、まだ確かめなければならない。それでも、毎日と書いた案は残せなかった。 蓮は新しい紙に週二便と書き、古い案を隣に置いた。通学のために描いた五日分の線が、紙の上だけに残っている。二便の曜日が決まっても、それ以外の朝に学校へ行く方法は、別に探さなければならなかった。

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